「善福寺リフォーム作戦」この一風変わった物件名は、施主からの提案によるものでした。というのも、今は亡きおばあちゃんが大切に守ってきた築37年の住まいは、家相に基づいた完璧な間取りだったために難解なミッションがあったのです。
ミッション1:間取りと床面積を変えずに、生活空間を広げる
ミッション2:1階とアプローチのバリアフリー化
ミッション3:イグアナのペガちゃんを放し飼いにしたい
廊下を居間、食堂に取り込み、階段と玄関とトイレを集約して生活空間の広がりを持たせました。もともとコンパクトにまとまった間取りだったので、単純に廊下を室内側に取込むと、バリアフリー化が破綻してしまいうまくいきません。ミッション1と2を解決するために玄関ホールと階段室を合体させ、さらに階段の下にトイレを配置しました。通常ならば3坪はほしいところですが、階段と玄関とトイレをわずか一坪半のスペースにまとめました。面積は集約しましたが、リフォーム(リノベーション)前からそこにあったように、広がり感、使い勝手共に違和感なくできあがっています。
我々が最も悩んだのが「ミッション3」でした。普段はLDのガラスケースにペガちゃんは住んでいますが、年に数回思う存分動き回ることができるように、キッチンとLDを仕切りたいという要望です。引戸で仕切ることができれば問題は解決したのですが、できませんでした。悩んだ末、ペガちゃんの行動習性を加味して、ガイド付きのロールスクリーンで間仕切れるようにしました。
無事3つのミッションをクリアし、元の昭和の注文住宅の雰囲気を継承しつつ、次の世代の家としてリフォーム(リノベーション)が完成しました。
築37年、バリアフリー、スロープ、耐震補強、断熱、採光、温水暖房、和モダン、リノベーション