日々の基本的な生活を支えてくれる家を大切にします。例えば、「ただいま」と言いたくなる玄関や、光に誘われ上がりたくなる階段などです。家族や仲間と集まったり、一人で趣味に没頭する、そんな日々の暮らしを楽しむ家が理想です。
先人の知恵と気候風土に基づいた形を大切にし、理にかなったデザインを紡ぎ出します。古きに学び、新しさも取り入れる。流行に左右されず、時とともに味わいの増す、上質な住まいをデザインします。
地震や台風などの力を、素直に地盤に流す骨格(構造)が理想です。建築基準法の壁量計算だけでなく、梁の変形も検討します。将来の改修時に対応しやすいように、特殊な構造ではなく、伝統に基づく汎用性の高い構法を選択します。地盤や敷地の特長も考慮し、間取りと共に断面も検討し、立体的に設計を進めます。
木・土(漆喰、かわら、レンガ)・紙(襖、障子)など、自然由来の材料でつくることを大切にしています。これらに囲まれて暮らすことは、気持ちが良いことです。また、自然素材には暖かみや調湿性があるなど、健康的なメリットがあるだけでなく、解体後に土に還る環境に優しい材料です。
夏は太陽光を遮り風を通し、冬は太陽の暖かさを取り込みます。春と秋には自然と同化できるような、太陽や風とうまくつきあえる家を理想としています。
そのために、「外皮の適正な断熱」「通風、採光、太陽エネルギーの利用」を軸に快適で環境負荷が少ない家を計画します。