大正15年に建てられた家を、子世帯と一緒に住む家に改修しました。建築当初は平屋の和風住宅で、その後、2階を増築、さらに下宿屋を始めるために増改築を行なったため、建物には様々な不具合が生じていました。
次の世代の資産となる家にするには、建物の性能の向上とともに、現行法規への適合と維持管理動線の確保が求められました。耐震や断熱性能はもちろんのこと、防火、そして採光、通風に対しても現在の新築に要求される性能まで向上させました。増築部を減築しつつ、下宿屋の間取りを活かして、分離型の二世帯住宅にリノベーションしました。
二世帯住宅として「我が家」と感じるデザインとするために玄関に「庇と格子網戸」を設け、親世帯と子世帯が一つ屋根の下を通ってそれぞれの玄関へと到達する、程よい距離感を確保しました。庇は地域で年を重ねた古屋の改修としても、記憶に残る景観を街並に再現しています。
築90年築、二世帯住宅、昭和レトロ、耐震・断熱改修、モダン格子引戸、庇、日本エコハウス大賞
第4回 日本エコハウス大賞 リノベーション部門 優秀賞