新着情報

第8回見学会 林芙美子邸「心地よい書斎」

  • ちくらの会
  • 2014.03.06
OLYMPUS DIGITAL CAMERA今回は新宿区中井の林芙美子記念館に行きました。1941年、太平洋戦争の始まる年に竣工し、築72年ということになります。当時はカエルの声が聞こえるような郊外ながら、戦火は近くまで来ていたとのことでした。

「客間には、金をかけない事」「茶の間と風呂と厠と台所には、十二分には金をかける事」というのが、林芙美子の考えだったそうです。野菜の洗い場や、台所の流しの微妙な勾配など、芙美子さんの繊細な部分が伺い知れます。

今回林芙美子邸で一番素敵だと思った部屋は、なんと言っても書斎です。もともとは座敷を書斎として利用する設計だったそうですが、明るすぎて落ち着かないので、納戸にする予定だった部屋を書斎にしたとのことでした。庭に面して雪見障子と座卓があり、明るすぎず、暗くなく。納戸の予定なので、収納もたくさん。素敵な居場所でした。

余談ですが、最近見学した書斎として、吉屋信子さんの書斎:北向きの大きな窓、トップライトがあり、庭の藤棚との連続し広がりを感じる。壁面収納が整然としていて、ちょっと私には疲れる感じかなーなどと勝手に想像・・・

白州正子さんの書斎。:こちらも巣のような心地良さが感じられました。一度はまってしまったら、抜けたくなるコックピットのような書斎でした。

6月28日の命日や秋の文化財ウィークには内部に入れるようです。あの書斎に座ってみたいものです。