
連載「建物雑想記」では前号に引き続き、青梅市のを河鹿園を取材しました。河鹿園は青梅線御嶽駅に程近い御岳渓谷沿いに大正時代中頃に創業した割烹旅館で、平成27年の旅館営業終了後は、数寄屋造りの建物を活用した「旅館建物室礼美術館」として営業を再開しています。令和2年には河鹿園の一連の建造物が国の登録有形文化財に登録されました。
店主の宇佐美昭さん自らが部屋を設え、数寄屋建築の「室礼」を体感できる場となっています。客室の床の間には、川合玉堂をはじめ、日本画家の作品が掛けられ、季節の草花が添えられています。渓流の音に包まれながら書画や工芸品を観賞でき、他ではなかなか体験できない贅沢な時間を過ごすことのできる美術館です。今回はこの河鹿園の客室の床の間の魅力をお伝えします。
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