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借景、窓から見える景色

  • 酒井哲の何でもノート
  • 2021.05.16


こんな景色が見えるとは、、、窓から見える風景に感動し、撮った一枚です。2019年の秋から関わっていた檜原村の旧藤倉小学校の改修工事が終わり、引き渡し前に調理室の洗い場の窓から見た風景です。以前も同じ位置に調理室の窓がありましたが、窓自体もクモリガラスだったことや、眺めのよい方角ではないことから、窓から見える景色に関しては全く気にしていませんでした。

もともと外部通路からのこ石段を見ても引きを確保できない狭い空間のため、このようには見えません。室内側で石段から少し離れた位置で、さらに窓の額縁で景色が切り取られたことで絵画のような風景が偶然にも出現しました。正に借景と呼びたくなる窓です。

窓からの景色は、遠くを望む場合は割と素直に借景になりますが、この窓のように近景の場合は、人工物と緑(自然)の関係性が重要になります。石積みの擁壁と斜めに上がる石段、そして点在する緑、人と自然の関わりが絶妙のバランスです。同じ景色でも、雑草が伸び放題となると、雑然とした感じが目立ってしまい借景にはなりません。

近景の借景は、人と自然のよい関係性があるからこそ成り立つの風景であることを改めて感じました。