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旧高田邸と国立大学町~85年の物語~

  • 地域活動
  • 2015.02.03
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「多摩のあゆみ」の読者から、「昭和初期に建てられたの国立の文化住宅を春に解体することになったので、その前に建物を役に立てたい」との投書が編集部にありました。早速、建物を見に行くと、昔から気になっていたライト風の洋館だったのです。多摩の近代建築を数多く見て来ましたが、この建物はその中でも上質な洋館だったので、解体前にせめて記録調査ができないだろうか……そんな思いが込み上げてきました。
国立の開発当初の建物としての文化的な価値も高いに違いないと思い、失礼を承知で近代建築を研究する大学の先生方、文化財を修復する専門家に集まって頂き、建物を見てもらいました。その結果「国立開発時の貴重な文化住宅として、地元のみさんで大切に……」とのコメントをいただきました。何でも鑑定団のあのフレーズです、そうですよね。では、地元ということで、国立市の教育委員会にも同席してもらっていたので、お話を伺いましたが、貴重な建物であることはわかっていても、文化財になっていない建物に対して市の予算を使うことは……ここら辺もよくよく心得ております。
残された方法は「市民の力」ですが、僕は国立に明るくないので、あきらめかけていたところ、法政大学エコ地域デザイン研究所の長野浩子さんと「たまら・び」の萩原修さんが国立にいたことを思い出し、ダメモトで打診してみました。すると国立本店の皆さんをはじめ、国立市内で活動をしている面々が集い、トントン拍子に「旧高田邸プロジェクト実行委員会」が立ち上がったのです。凄いです、国立!!
その後、メンバーの文献調査により、この建物が医師であり著名な作家の自邸であることがわかりました。国立大学町が産声を上げた時代の最初の文化人の高田義一郎氏の自邸だったのです。
さて、僕は建物の記録調査でしぶとく係っています。こちらも素晴らしい展開となり、(一社)住宅医協会が全面的に協力してれることになりました。昭和初期の医師の自邸を住宅医が調査・診断しその結果を「旧高田邸解剖図展」として展示します。面白くなってきましたね。

前置きが長くなりましたが、「旧高田邸と国立大学町~85年の物語~」3月8日に幕開けです!!

※バーナーはメンバーの江津匡士さん(国立桜図案)のデザインです。